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ケース2:従業員の過労死で、役員個人が賠償させられる!? 弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

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今回の経営者・慈英(じえい)芽衣(めい)社長への処方箋

今回の最高裁決定の原々審、京都地裁での事件経過をみると、会社を被告とした訴訟が2008年に一旦提起された後、翌年に改めて、取締役らを被告とした訴訟が提起されているようです。

この事件は、有名企業が被告となって耳目を集めたという事情もあり、原告側において、「単にカネを払えば済む、という問題ではない。会社だけではなく、取締役個人の責任も追及して、警鐘を鳴らし、企業全体に対して、労務管理におけるコンプライアンス意識を高めさせ、日本中で過労死を防止する社内体制を構築させる一歩とすべきである」等といった主義主張が背景にあったのかもしれません。

今回の最高裁決定を追い風として、過労死事件その他過労に関する事件について、会社だけではなく、取締役個人をも被告に加える動きが一般化しそうです(ストレートな言い方となりますが、今回の大阪高裁判決・最高裁決定により、過労被害を被った原告サイドにおいて、関与取締役"個人"に対しても強いプレッシャーを与えるための手段が増えた、とも評価できます)。

このように、司法が過労死の防止について厳しい判断をするようになった一方で、立法においても、過労死の防止に向けた取り組みが進められています。

すなわち、2014年11月1日からは、「過労死等防止対策基本法」が施行されます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000053525.html

この法律では、「過労死防止のための対策を効果的に推進する責務」を国に対して明文で課すとともに、事業主に対しても、努力義務とはいえ、国及び地方公共団体による過労死防止対策に協力すべきことが明文化されております。

さらに、附則には、「施行後3年後を目途として、必要な場合には、さらに必要な措置を講ずる」との一文が入っているため、今後、さらなる規制がなされることを予測して、対策をとっておく必要があります。

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