健康診断という「病」

γーGTP、健診前のにわか禁酒は改善なし? 亀田高志 氏

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学生時代から体育会系で健康優良児を自任していた会社員のGさん。快活で人付き合いがよく堅実な仕事ぶりで、IT企業の営業職として頑張る毎日。でもビールが大好きで、30代半ばから太り始め、定期健診の肝機能検査に異常が続き、保健師さんに運動やダイエット、特に節酒を口やかましく言われてきました。

そこで、「よし、今年こそは健診をパスするぞ!」と一大決心。1週間ほど、お酒を止めて健診日を迎えました。しかし、3週間後に送られてきた結果を見ると、γ-GTPは3桁のまま。昨年とあまり変わらない数値にガッカリ! 案の定、健康管理室に呼び出されて、「健診なんて、もう懲り懲りだ」と......。

γ-GTPは1週間の禁酒では減らない?

Gさん、残念でしたね! 肝機能検査のことを正しく知っていれば、対処のしようもあったかもしれません。

血液中の物質が半分の濃度に減るまでの時間を「半減期」と呼びます。例えば半減期が1週間であれば、100という数値が50まで減るのに1週間かかり、さらに25まで減るにはもう1週間かかります。

毎日飲む習慣のある人が、Gさんのように1週間も我慢するのは並大抵のことではありません。お酒が好きな方は、同感ではないでしょうか。しかし、健診の直前に我慢するだけでは、検査結果が良くなることはほとんど無いのです。

例えば、肝機能検査と呼ばれる血液検査の3つ、GOT(新しい呼び方はAST)、GPT(同ALT)、γーGTPの半減期は2~3週間だと考えられています。ですから、例えばγーGTPが毎年200ある人が100未満まで下げたいと思ったら、3週間以上もお酒を断たなければいけません。3日や5日ぐらい我慢したところで、検査値は微動だにしないでしょう。

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