泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

夢を乗せたテスラが走る隘路、資金調達がカギ GFリサーチ 泉田良輔氏

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自動車産業は新旧入り乱れ、騒がしい。

独フォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガス試験向け不正ソフトウェア問題を受け、これまで電気自動車にあまり積極的とは言えなかったメーカーも、これまで以上に電気自動車へ積極的な動きを見せ始めている。フォルクスワーゲン自身がエコカー戦略をディーゼル偏重から電気自動車へシフトするほか、トヨタ自動車も2050年までにエンジンだけで動く自動車の比率をゼロにし、その一方で燃料電池、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車を主力にするとしている。

また、米グーグルの自動運転車をきっかけとして、日本の自動車メーカーもこれまでの自動運転技術ロードマップを前倒しするような姿勢で開発を進めているようだ。

このように最近の自動車メーカーが目指すところは「電気自動車」と「自動運転」だが、これら2点をすでに満たすメーカーがある。それは米テスラ・モーターズだ。

テスラは2003年創業、2010年上場と、社歴は十数年しかない。しかし、資本市場での評価は非常に高く、時価総額でいえばグローバルの自動車メーカーに引けをとらない。下図のように、トヨタの時価総額25兆円には及ばないものの、テスラの時価総額は3兆円を超えている。販売台数がテスラより2桁多い米ゼネラル・モーターズ(GM)でも時価総額は6兆6000億円ほどなので、いかにテスラの評価が高いかがわかる。ちなみにテスラは2010年6月の上場後、当期純利益で1度も黒字になったことがない。テスラのようなベンチャー企業の株価は主に将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻して算出されるが、資本市場でのテスラへの期待の高さが改めて理解できるだろう。

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